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京住院の造園工事に寄付 巻・内藤 至さん(90歳)

2008年9月号

小川英爾

この9月で満90歳を迎えたというが、とてもしっかりして読書とテレビで野球や相撲を観るのが楽しみだという。4年前に奥さんを亡くされ、子供がいないから現在一人暮らし。週3日ヘルパーさんにきてもらい、寒い季節はショートステイに入所することもある。

寺から届く『妙の光』が楽しみで全部綴ってあり、近所の方からも貸してほしいと言われるので、新しい号が届くと目を通してから回している。前回の河野さんの記事に感動して、貸さないで毎朝読んでいた。そこで「京住院」の仏像修復に協力したがさらに何かできないか考え、これから始まるという庭の工事なら費用がいくらあってもいいだろうと、協力を申し出られた。8月に墓参りしたときに新しい「京住院」と修復された仏像を見て、庭の完成する10月末をとても楽しみにしている。

県の職員として38年間勤め、ずっと福祉関係に従事してきた。退職後も家庭相談員や心配事相談員を10年以上された。毎月の檀徒の集まりである巻講中に奥さんが長年入っていたので、亡くなられた後を継いで3年ほど仲間入りしたが、足腰が弱って出かけることができなくなったのが残念だという。

若いころから神社仏閣巡りが好きで、各地を一人旅した。朱印帳もたまって、死んだときには棺に入れてくれるよう近くに住む妹さんに頼んである。身延山には奥さんと3回ほどお参りしたが、それ以外は一人旅が多く、今思えば妻に申し訳ないことをしたと後悔している。

養子を入れたこともあったが先方の申し出で解消し、自分の代で家が絶える覚悟はできた。墓は安穏廟に改葬、葬式は寺に生前契約をし、さらに河野さんに倣って財産処分も近々手続きに入るという。「心配事がないと言えばうそになります。一人暮らしは孤独感があります。この歳になると友だちも特養に入所したり亡くなったりしてめっきり少なくなりました。仏壇の両親と妻の傍にいることが供養だと思いお参りを欠かしませんが、両親が求めた100年前のこの仏壇も自分の亡きあと処分するかと思うと、余計寂しいですね」と語るが、とてもお歳には見えないしっかりした口調が印象深い。

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