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菊花奉納十余年

2006年12月号

新潟市葉萱場

内藤清さん

ことしも秋の1ヶ月余り、玄関に見事な菊の花5鉢が展示されて、訪れる人の目を楽しませた。内藤さんが丹精こめて育てた花を展示するようになって、今年で11年目を迎える。

新潟は弥彦神社の菊花展が有名で、菊作りの愛好家の数と技術は全国のトップクラスにある。内藤さんは定年退職後地元の「巻町菊花会」に入り、大菊作りから始めた。

仲間のひとりが菩提寺に花を飾るという話を聞き、自分も妙光寺にと思いついたのが始まりだった。当初は大菊をお寺の玄関に並べたが、次第により技術を要する小菊に心が移った。会を通して弥彦神社にも出品し、たびたび入賞する腕前になった。この間も妙光寺への奉納は欠かさず続け、ことに県外からの参拝者は「これが本当に菊の花ですか?」と、驚かれるほどだった。

小菊は盆栽のように小さな鉢にさまざまな形で立ち上げたり、岩や古木に根を張らせたりと、驚くほど繊細な咲かせ方をする。苗の植え付けが1年4ヶ月前から始まり、成長の早い夏場は1日たりとも目が離せない。手間がかかるのと場所をとるせいか、最近は若い人に敬遠されて愛好家がすっかり減り、昨年で内藤さんの会も解散してしまった。それでも自分の観賞用とお寺の分として、続けるという。

内藤さんには昔カメラの趣味があり、数年前にこれを再開した。今年4月お寺の「ご判さま」での水行の模様を収めた1枚が、今年初めて新潟市美術展で入賞し、11月に展示された。その作品も飾ってくださいと、菊の片付けの際に持ってこられた。

数年前夫婦で身延山への団体参拝に参加したが、とてもよかったのでぜひまた行きたいという。「記憶力がにぶったせいか、お経を覚えるのがおぼつかないのと、手が震えて筆が持てないのが悩みだ」と。

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