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ハローくん

2012年9月号

小川なぎさ

夏の最後の行事『送り盆』が終わりました。夜の暗闇の墓地に、たくさんの灯りが揺らめいている様子は、本当に静かで荘厳な、魂を送るにふさわしい光景でした。「また来年帰ってきてね!」と思わずにいられませんでした。日中しか参加できなかったみなさんも、来年は夜の境内を散策においでになりませんか?闇の中のともし火が、疲れた心に染みました。

さて夏はお上人さんたちが、お盆の棚まいりにお伺いしてお世話になりました。

棚経といえばもうずいぶん前のことですが、住職から「ホーホケキョウ(法華経?)と鳴くオウムが、いるよ。」と聞いてお盆に連れて行ってもらったことがありました。大きくてきれいな鳥、ハローくんでした。そのハローくんが、昨年死んだとお聞きしました。飼い主のお母さんが隣で午後のお昼寝から目覚めたとき、さっきまで元気だったのに・・・と驚かれたそうです。ハローくんは大好きなおかあさんの顔を見ながら静かに逝ったのですね。

当時船員だったお兄さんから妹さんへの、南米のサントスからのお土産だったそうで、なんと50年も一緒に暮らしたそうです。連れてきたときはすでに何歳か分からなかったそうですから、人間と同じくらい長生きしたわけです。サントスの港がどこにあるのか思い浮かびませんが、遠い異国の地から来て、可愛がられて天寿をまっとうしたこと、お題目?を唱えていたこと、なにより、50年も一緒にいたことをご紹介したくて、写真もお借りしました。ハローくんの冥福を祈ります。

実はお恥ずかしいことですが、毎年夏になると忙しさのあまり心身ともにきつくて、「とほほ」という気持ちで暮らしていました。でも今年は、テレビである出版社の社長の「みんなが嫌だ、面倒だと思うことをしてきた。あえて楽になることはやらない。」という含蓄のある言葉を聞いて、自分なりにやってみました。そして台湾出身の義姉の案内で、台湾のお寺のボランティアの方々に出会い、「あなたのために何かをできることが私の喜びです。」という話も聞きました。そんなできごとが、自分自身をとても強くしてくれたようです。

疲れてはいますが、すがすがしい気持ちで夏を終えました。私は、気の持ちようでまだなんとかなる年齢だということみたいです。

残暑きびしい秋になりそうですが、どうぞ本当に無理をせずお過ごしください。

暑い中行事のお手伝いを頂いた方、みなさんにお礼を申し上げます。

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