―質問― 暮れにお寺からいただくお札≠フ意味を教えてください。
―回答―
12月になると近隣檀徒の全てのお宅に、月忌納め(1年の命日の締めくくり)≠フお経に伺っています。その際に来年のお札をお届けします。各家庭では大掃除を終えるとこの新しいお札に張り替えて、新年を迎える準備を整えます。
『南無妙法蓮華経・角田山』というお札は角札といいます。日蓮宗の信徒で、妙光寺の檀徒であるという標示と、併せて不幸を排除する目的で出入口に貼ります。最近は様々な宗教の訪問勧誘が増えて、ときにはしつこいものもあります。そのとき「我が家はこちらのお寺ですからと、このお札を指し示したらすぐに帰りました」という話を聞きました。こんなご利益もあるようです。
『御守護』のお札は文字通りお守り札で、不幸のないようにお守りいただくものです。中にお経を書いたお札が入っています。
『火不能焼水不能漂』はお経の文言で、「三宝荒神」を表します。「三宝荒神」は不浄を焼き尽くす神聖な火がある場所と言われたかまど≠フ神様として祀られます。これは陰陽道の民間信仰から起こりました。日蓮聖人は「三宝荒神は十羅刹女なり」と説かれ、『法華経』を信仰する人の守護神とされました。羅刹は鬼の形相という意味で、十人の鬼形の女ということです。その母親の鬼子母神とともに「法華経を読誦し受持せん者を擁護し、その衰患を除かんと欲す」とお経にあります。これは、その怖い鬼の顔で法華経信者を悩ます悪者から守るということで、お札にしてお守りいただくものです。
「令百由旬内無諸衰患」のお札は毘沙門天を意味します。持国天、増長天、広目天、多門天の4人の神様を『四天王』と言います。インド古来の神様で、仏教を守ることを誓い守護神として崇められるようになりました。その中の多聞天の別名が毘沙門天です。毘沙門天は『七福神』の一人として、七難を避け、財宝や富といった七福を与える縁起の良い神様です。同時に戦いの神様とされ、上杉謙信が守り本尊に信仰したことでも知られています。武人のお姿は仏法を邪魔するものを退治して、仏様の教えを守る様を表しています。
以上4種類のお札は、妙光寺に古くから伝わる木版から、1枚ずつ手刷りしていました。現在は枚数が多くなって、住職が手刷りした1枚を写真製版して印刷しています。受け取る方の幸せを祈り、お経をあげて加持祈祷してあります。意味を理解いただき丁寧に扱ってください。
*お札ご希望の方には、どなたでもお分けします。おいでいただけなければ、郵送もいたします。
|