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教えてお上人

2014年3月号

小川英爾

―質問― 『安穏廟』について、あらためて教えてください。

―回答―

必ずしも跡継ぎがいなくてもいい墓

核家族化や少子化で家の跡継ぎ、墓の跡継ぎがいない家族が増えています。以前は本家の墓に入ったりしたものですが、最近は親戚付き合いも薄く、その上本家ですら跡継ぎ不在の例もあります。

こうした悩みに応えようと「跡継ぎがいなくなったら一定期間後に個別の墓から合祀に移して寺が永代供養する墓」として、『安穏廟』を平成元年に開設しました。跡継ぎがいることで成り立ってきたのが、従来の墓です。そのため当時は子どもがいない方や、娘だけの方、離婚後のとくに女性等は墓地を求めることすらできませんでした。

その仕組み

全体の美観を最優先にして、個別に仕切られた集合墓にすることで建設費を抑え、その収益を基金運用して管理と供養を行います。申込みの際は後継者がいなくても構わないので、いわゆる檀家になることを条件にしていません。納得して希望すれば、家ではなく個人を基本にした檀徒になれます。それまでは「安穏会員」という会員制であることが、大きな特徴です。

基金の運用を含めた妙光寺の全ての運営費は、役員会議で審議します。その一部を使って従来の檀信徒を含めた交流の場など、妙光寺のご縁の輪を広げています。昨年の開創700年大法要にも、会員さんが多数参加しました。

残り70区画

『安穏廟』は宗教活動であり、そのため広告宣伝は一切しないのが行政との約束です。それでも申込みが途切れません。それはこうした先駆的な運営方法が評価され、開設当初からしばしばNHKはじめマスコミで紹介されていることと、皆さんのご紹介等口コミによります。

昨夏増設した104区画の残りが約70区画で、最終受付の予定です。敷地も限界に近く、檀徒になって葬儀の依頼をされる方が増えて対応に追われているためです。最近は跡継ぎがいる方の申込みも多い傾向で、時代の変化を痛感します。

近年は、従来の檀徒さんからも「跡継ぎがいない」という相談が増えています。その受け皿としての『檀徒の安穏廟』も、年内に完成予定です。

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