開創七百年記念インタビュー 私たちの妙光寺を、立派なお寺にしたい ―世話人さんに聞く― |
2013年7月号 |
新倉理恵子 |
妙光寺の運営の中心は、世話人会です。世話人さんは、各地区から数名ずつ選出され、その中から互選で総代さんが選ばれています。世話人さんは、現在23名です。以前は任期がありませんでしたが、十数年前に制度を改め、3年の任期制(再選あり)になりました。定年も75歳と決められています。任期制となって、より多くの方がお寺の運営に関わるようになりました。世話人さんの主な仕事は、お寺と地域の檀信徒さん宅をつなぐことです。開創七百年大法要でも活躍した3人の世話人さんに、お話を聞きました。
※本文中、石田武嗣さんを「武嗣」、石田聡さんを「聡」と表記させていただきました。
遠藤シンさん(70歳・五箇浜地区)
世話人になって十年近くになる。
女性世話人2名のうちのお一人である。
石田武嗣さん(63歳・曽根地区)
昨年六月、世話人になった。
同時に幹事となり、会計監査を務めている。
石田 聡さん(60歳・松山地区)
昨年六月、世話人になった。
最近松山地区にあった墓地を、妙光寺境内に移した。管理の苦労がなくなり、ほっとしている。


- Q.それでは、世話人になられた経緯をお聞かせください。
- (遠藤)前任の方が定年に達して、ご前様と2人で自宅においでになり「やってほしい。」と頼まれました。大したことはできないけど、お役に立てたらと思って、引き受けさせていただきました。
(武嗣)昨年ご前様から電話をいただいて、「ちょっと話がある。」と言われてお寺に伺ったら、「前任者の推薦もあり世話人になってほしい。」ということでした。協力できることがあれば、協力したいと思っていたので引き受けました。そして幹事もやることになりました。
(聡)定年になった前任の方から、後継世話人に指名されました。地区では、私以外は50代なので、年齢順ということでした。この年になれば、仕事の上でも責任のある立場は経験しているし、断る理由もなかったので、引き受けることになりました。
- Q.世話人さんは、どんな仕事をしているんですか?
- (遠藤)担当の地区の檀徒さん宅に、お寺からのお知らせ(『妙の光』など)を配ったり、お金を集めたりしています。
(武嗣)昨年は七百年大法要の準備で、ずい分たくさん集まりがありました。定期的な世話人会は、年に二、三回です。最近では、六月九日に世話人会があって、その準備が四日です。普段は、必要に応じて数人が集まって、仕事を進めています。
(聡)まぁ、お寺から言われたことを、言われるがままにやっている、という感じです。
- Q.七百年大法要は大変だったと思うのですが、いかがでしたか?
- (武嗣)最初に七〇〇人を集めると聞いたときは、本当にそんなに集まるのか、前任の世話人さんたちはよくそんなことを決めたなぁと思いました。いったい、どんなになるんだろうってね。
(遠藤)お誘いするのは、やっぱり大変でしたね。お寺に縁のある方ならどなたでも、と誘いました。
(武嗣)打ち合わせも大変でした。事故があっては困りますから、煮詰めて、煮詰めて・・・。中心になった執行部や事務方の苦労は、並大抵ではありません。当日も、私は全体の会計係だったので、皆さんのお金を預かったわけで、さすがに緊張しました。
(聡)私もバスのスタッフをやりましたが、各バスに3人ずつスタッフがついて、誘導からお土産の集金から、大変でした。でもすごいイベントでした。法要も素晴らしかったし、一つの寺でこれだけのことをやるのは、本当にすごいことです。
- Q.今回の大法要をはじめとして、妙光寺はよそのお寺とかなり違うので、世話人も忙しいですよね。
-
(聡)とにかく行事が多いですね。普通のお寺はめったに、というより何もイベントがないのが実情だと思いますが、ここは毎月何かやっています。世話人を引き受けてみたら、思ったより大変でした。でも、引き受けた以上責任があります。私たちは、お寺を盛り立てる立場ですからね。
(武嗣)現代はお寺から若い人が離れていく傾向がありますから、ここのように熱心にやっているのは、素晴らしいと思います。でも、確かに責任重大だという気持ちはありますね。
- Q.妙光寺の世話人をやっていて、良かったと思うことは何ですか?
-
(3人口々に)とくに、ないですね。ないねぇ。(笑)
(聡)ご前様という人は、不可能を可能にする人なんですよ。とにかく実行力があります。
(遠藤)ちょっと手伝ってくれと言われて、やっているうちに引き込まれてねぇ。
(武嗣)そういうところが、ご前様は上手いんです。私たちは、気がつくとペースに巻き込まれています。今日だって、インタビューがあるなんて聞かされてないんですから。
- えっ、そうなんですか!
-
(遠藤)私は、「とにかく来てくれ」と言われただけですよ。
(聡)私も会議かと思って来たら、3人だけで驚きました。まぁ、インタビューと聞いていたら断りはしないけど、考え込んじゃうだろうからね。これも手腕のうちですね。
(武嗣)でも、何をするかくらいは聞かせて欲しいですよ。(笑)とにかく、やり方が上手すぎて、何も言えないんですね。
- Q.でも妙光寺は、本当にいいお寺ですよね。
-
(遠藤)七百年大法要のテレビ番組を見て、知人から「あんたのところのお寺は、すごいねぇ」と言われました。うれしいですよね。
(武嗣)通夜の説教も、いい話をしてくださいます。亡くなった人の話から入ってわかりやすくて、知り合いからほめられます。
(聡)お経もいい声ですよ。よそのお寺とは、雲泥の差です。張りがあってリズムがある。眠くならないお経だから、素晴らしい。
- Q.妙光寺を、これからどのようにしていきたいですか?
-
(武嗣)やはり自分のお寺ですから、立派なものであってほしい。4月のご判様も、人が少なくなりました。稚児のお練りがあって、若い夫婦も参加するのだから、もっと工夫して若い人を引きつけたい。
(聡)大法要も七〇〇人を目指したけれども、結局は六七〇人程度でした。これだけイベントをやっているのに、まだまだ知名度が低いのが残念です。DVDシリーズに『百ケ寺巡礼』というのがありますが、あそこに入るくらいの寺になってほしいと思っています。
(武嗣)夏の「送り盆(安穏フェスティバル)」は、何度か参加したけれど、講演があったりして面白いですね。
- 「送り盆」は、四〇〇人くらい参加するんですよ。
-
(聡)そんなに来ているんですか。参加したことがないなぁ。
(遠藤)楽しいですよね。私は手作りコーナーの「蓮の花作り」にはまってしまって、家に置いておくともらっていく人もいるし、楽しんでいます。夜の墓地の万灯が、また本当にきれいなんです。
(聡)それは頼まれれば、ぜひ手伝いたいね。
今後もよろしくお願いします。今日は、どうもありがとうございました。
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