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皆様のご協力の賜物

2013年4月号

小川英爾

700年の好機

妙光寺は鎌倉時代末期の正和2年(1313)に開創されました。以来今年がちょうど700年目に当たります。その慶讃大法要を総本山身延山久遠寺で、約700名が参列して盛大に催すことができました。角田浜は、日蓮聖人が佐渡島流しの際に一泊された霊地です。この縁で、日蓮聖人の孫弟子にあたる日印上人が開かれました。 700年に引っかけた総勢700名は、従来からの檀徒だけでは集まらない人数です。身延山でも、一つの寺でこの規模の参拝は前例がないとのこと。そこで新しくご縁のできた檀信徒にも参加いただき、揃って感動を共にして欲しい、そう考えた大きな挑戦でした。しかし本当に集まるのか、無事に円成できるのか、最後まで関係者が一様に心配したことです。

また、新しい方にはなじみの薄い"南無妙法蓮華経"のお題目を、一緒に唱えていただけるのかということも、正直私は不安でした。

皆さんで成し遂げた快挙

お陰様で2日間晴天に恵まれ、大きな事故もなく、見事ともいえる大法要をお勤めすることができました。「心から感動しました」は、多数の参加者から戴く言葉です。「あれだけの人数が一体になって、それを一所懸命お世話している人たちの姿に驚きました。」門前町で16代目という、お土産品を納めた饅頭屋の店主の言葉です。「お題目は誰でもが仏になれる、だから一人ひとりが尊い、と説かれた『妙法蓮華経』というお経に帰依します、敬います、という誓いの言葉です。」そんな前夜祭での私の説明と、練習の効果でしょうか、法要の席での"南無妙法蓮華経"の声は、皆さんの気持ちがこもって大迫力でした。

そして当日は、この大行事を成功させたい、そんな皆さんの願いが満ち溢れていました。また、事前にバス毎の案内係や身延山での誘導係をお願いした方全員が快諾され、真剣にお世話下さいました。70名にも及ぶので3回に分けた準備説明会では、熱心な質問や意見が多く出て、同席の旅行社が驚いたほどです。700人の大法要は、文字通り参加者の皆さんで成し遂げた快挙です。

見えない支え

今回の大法要開始直前、40名の僧侶の控室では緊張感がみなぎっていました。そのとき新潟市の長照寺住職の宮沢上人が、私に話しかけてくれたのです。「私は身延山で学んだ当時、岩間法主様にとても可愛がっていただき生涯忘れられません。今日17日は月命日ですよ。この大法要を見守ってくださる気がします。ありがたいですね」と。

身延山の住職は"法主"様と呼ばれ、現法主様で92世です。先々代で第90世の岩間日勇(湛良)法主様は、平成13年9月17日に94才でご遷化(僧侶の死去)されましたが、名説教師と言われとても人望の厚い方でした。妙光寺の先代住職(私の父)と親友の間柄で、先代亡き後新米住職だった私が、一番頼りにさせていただいた方です。

妙光寺参道入り口の石塔に彫った"角田山妙光寺"の文字や、安穏廟中央のお題目を書いていただきました。また今年1月に得度して、尼僧の道を歩み始めた私の長女、良恵に"良"の文字をいただいた名付け親でもあります。宮沢上人は、妙光寺が岩間法主様とのご縁が深いことをご存じで、緊張する私に言葉を掛けてくれたのです。

檀信徒の皆さんのお力と同時に、700年間の歴代住職、皆様のご先祖あらゆる方々の、見えない支えをいただいたと心から思える開創700年大法要でした。

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