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ご質問に答えて

2011年12月号

小川英爾

秋の一日研修で女性の安穏会員さんからいただいた質問です。「生家は真言宗でしたが母親だけがキリスト教に入信して、亡くなった後は教会の墓地に埋葬されお参りにも行きます。夫の生家は浄土真宗です。私は安穏廟がきっかけで日蓮宗にご縁ができたわけですが、一体自分はどの宗派を選らぶべきなのか迷ってしまいます。」

その回答です。お母さんのようにご自分で信仰を自由に選ぶのが基本です。そのために色々体験されたらいいのですが、全ての宗教や宗派を調べてから選ぶというのは不可能に近い話です。御自身の中から突き動かすような求めるものがあるなら別ですが、ご縁があって違和感がないから、そんな選び方もあっていいのではないでしょうか。

宗教は本来個人的なものです。ところが江戸時代に作られた檀家制度で、宗教(寺)と家がセットにされました。そのために特に嫁入りした女性はその家の宗教(寺)に決められて、個人では選べないことになりました。この制度は明治に入って廃止されましたが、いま習慣として残っています。そのような中で家の宗教ではなく、キリスト教を選ばれたお母さんは、よほど強烈な出会いと強い意思があったと思われます。

最近は葬儀の際の費用の問題等から寺のあり方が問われ、また家も続かない時代で檀家制度が実質的に消える方向にあると言われます。宗教は自分で自由に選べるという原則からすれば当然の流れですし、檀家となっているお寺(菩提寺といいます)を変えることは誰からもとがめられません。(古いしきたりや習慣にとらわれる地域や親戚から言われることはあるかもしれませんが)

こうなると信仰は個人的なものですから、夫婦や親子で宗教が異なる場合も起きてきます。カルトと言って狂信的な宗教に子供が勧誘されて入信する例が社会問題になっています。この場合は別として夫婦家族が同じ信仰を持てることが理想でしょうし、同じでないときは相互に認め合うことが大切です。

因みに妙光寺では檀家といわず檀徒といい、子供が後を継ぐことを強要しませんし、入ることも出て行くことも自由です。最近では県外に移り住んだ昔からの檀徒Aさん夫妻が相次いで亡くなり、息子さんたちの事情で墓をそちらの日蓮宗のお寺に移して妙光寺の檀徒を辞めました。その逆の、新たに檀徒に加わる方がとても多いのも現状の妙光寺です。

宗教に熱心というと特別な目で見られがちでしたが、八十八ケ所巡りが流行ったり若い人が宗教に関心を持つなど、これからの時代は変わってくると思います。でも昔のままのお寺では難しいでしょうね。親しめる妙光寺を目指していますので、気軽にお付き合いください。

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