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信心 〜第2の人生は、妻とともに〜
新潟市福井 岡崎隆さん(78歳)・友子さん(76歳)

2016年7月号

鎌田



 岡崎隆さんは旧巻町福井で、農家の三人兄弟の次男として生まれた。父親は、隆さんの弟が母タツさんの胎内にいるとき一家を置いて一人満州に渡り、以来音信不通。生まれつき両手足が不自由な母は、女手ひとつで子育て、家事、農作業をする人一倍の働き者だった。

仕事と結婚
 隆さんは地元巻農業高校を卒業後、燕市の鉄工所に住み込みの事務員として勤めた。しかし会社は倒産してしまう。祖父の営む材木屋を手伝ったが、ここも経営不振で閉鎖された。そして隣村にあるゴルフ場に職を得て、送迎バスの運転手から芝刈り作業などあらゆる仕事で奮闘した。入社2年目には知人の紹介で同じ福井に住む友子さんと結婚し、2人の男の子を授かった。友子さんもゴルフ場のキャディーとなって、ゴルファーに信頼された。やがて隆さんは管理職になり、社会保険担当の功績を認められて社会保険庁長官の表彰も受けた。在職40年を経て無事に定年退職を迎えた。

兄弟の死
 弟の加祢夫さんは60年前の弥彦事件に巻き込まれ、17歳の若さで亡くなった。昭和31年の元旦、弥彦神社で押し寄せた初詣客に玉垣が崩落して将棋倒しになり、124人が死亡した大惨事である。当時としては珍しく雪のない正月で、参拝客が殺到したのが原因だった。隆さんや仲間も一緒にいたこともあり、生涯忘れることのできない辛い思い出である。
兄の一彦さんは60歳で病死し、葬儀にはご前様に東京まで行っていただいた。

第2の人生
 第一線を退いた後は、妙光寺世話人として12年間福井地区を取りまとめ、経験を買われてお寺の会計監査を担当された。昨年の改選で定年を迎え、いまは顧問として福井地区の世話人をサポートしている。また妙光寺団体参拝への参加はもちろん、個人でも身延山久遠寺や池上本門寺に参拝している。自宅の仏檀を改修し、古い曼荼羅御本尊まんだらごほんぞんの表具直しをするなど、仏事への思いは篤い。また地区の自治会長と『福寿温泉じょんのび館』の取締役社長を、各々4年間務めた。

妻の介護をしながら
 この数年、妻の友子さんが脊髄の病で手術をし、その後もリウマチや両足膝関節の病気が見つかって介護生活を余儀なくされた。友子さんと一緒に、元気にお寺の行事をお手伝いできたころが懐かしいと語る。
 隆さんは友子さんの介護をしながら、老人クラブ福寿会の会長、地区高齢者大学の学長も務め、忙しい毎日。最近は6人の孫と1人の曾孫の活躍が楽しみだ。この秋には母タツさんの7回忌の法要が予定されている。

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