日蓮宗 角田山妙光寺 角田山妙光寺トップページ
寺報「妙の光」から 最新号 バックナンバー
HOME >> 寺報「妙の光」から >> Q.法要の前後にメロディーのついたお経がありますが、その意味は?

Q.法要の前後にメロディーのついたお経がありますが、
  その意味は?

2016年3月号

小川良恵


【回答】


 法要の中で唱える歌のようなもので、「声明(しょうみょう)」といいます。日蓮宗では、法要の始まりに仏様をお迎えする『道場偈(どうじょうげ)』や、華を散らして場を荘厳する『切散華(きりさんげ)』など、七つの曲を主に唱えます。声明によって、音律を整え、声を整えることで、法要に音楽的な深みが生じ、仏様に法悦を捧げるのだとされています。

 声明はインドから中国を経て日本に伝わってきました。現在でも天台声明、真言声明など各宗派で独自のものが伝承されています。声明には、五線譜のように正確な音を示した楽譜はありません。旋律の上下や揺れのみを表す、墨譜・博士を参考に口伝で伝えられてきました。そのため、どの宗派でも地域や個人によって差異が生じ、宗内でも様々な流派が生ずることになりました。日蓮宗では法華経の読誦と唱題が重要とされてきたため、声明はおろそかになる傾向にありました。しかし、昭和6年の宗祖六百五十遠忌法要をきっかけに、声明技術を統一し、七曲を宗定声明として定めました。現在では、音程の正確さや法要での所作を基準とした「声明師」の資格を持つ僧侶もおり、熱心に声明の伝承に取り組んでいます。

 前のページへ戻る
  道順案内 連絡窓口 リンク