寺庭から 「ささやかに暮らそう」 |
2016年3月号 |
小川なぎさ |
ちょっと贅沢?
建物改修工事のため、住まいの風呂を取り壊しました。それで「お風呂は3日に一度近くの日帰り温泉に行こうね」とリョウケイさんと決めて贅沢(?)をしています。雪、木枯らし、さえざえとした星空のもとでの温泉。湯煙のお風呂は暖まります。余談ですが、シャンプー洗髪を止めてお湯だけで洗うことを始めて2ヶ月経ちました。作家の五木寛之みたいな髪型になっているけれど、ふさふさしてきたような気がするし、洗髪も楽なので、余計に楽しい温泉生活を楽しんでいます。以前何かの折「日本人はやっぱり仏教じゃないかね。湯船に浸かったとき、あー極楽、極楽≠ニ言うでしょう。天国とは言わないよね!」と友人のKさんが言った言葉を思い出して一人笑っています。本当だね…フフフ。
たくさんの処分品から
改修工事で、たくさんのものを処分しました。辛かったのは、実家から持ってきたピアノでした。老後の楽しみにしていたのです。寺の暮らしでは趣味を持つことは本当にむずかしく、まして空いた時間に下手なピアノを弾くなんて無理でした。
子育てをしながらしていた編み物や縫い物の道具も中途半端でたくさん出てきました。お彼岸の中日に玄関に出しておきますので、どなたか趣味の方にもらっていただけるとうれしいです。
つらつら考えながら片付けていると、いろいろなことを思いついては中途半端だったことが多い自分の過去が悔やまれます。今はこれから新しい自分になって仕切りなおし!と思います。恥ずかしい過去は捨てました(笑)半面たくさんの処分品の中から幸せのかけらを見つけては心の中に充電!といった時間をすごしました。
ところが新しい問題発生…
客殿屋根の葺き替えから始まった住職交代事業の工事。皆様の浄財をもとに進めてきましたが、新しい問題が発生しました。境内の地盤にどうも問題があるというのです。地盤に地下水の通り道があり、それで湿気、陥没、土台の傾きがおこっているらしいのです。
長年住職が境内の洪水に悩まされ腐心して来たことを知っているだけに、最後もまた水!とかわいそうに思いますが、歴代住職の中の土木担当≠ニいわれているご前様ですから乗り切ってくださるでしょう。やはり浄土への道は一筋縄ではいきませんね。
この先どのように進んでゆくとしても、私はこの空間を清潔ですがすがしい雰囲気をかもし出せるものにするために、掃除をまじめに?やっていこうとおもっています。
素朴でささやかな日常とすがすがしいお寺の生活!!が目標です。春から始まるこの新年度、またどうぞよろしくお願いします。
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