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「どんなことも、いつか、つながる?」  

2015年12月号

小川なぎさ


心に沁み入る風景
 10月の終わり、しーんとした夜の境内に大きな月がのぼってきました。新しくなって少し丸みをおびたように感じられる客殿の屋根が照らしだされ、すでに終わりに近い虫の鳴き声が調和して、とても綺麗な雰囲気でした。年齢を重ねてくると、心に染み入るような風景に出会えることが少なくなってきたと感じて「これではいかん」と思うのだけれど、時々はここにいながら夢のような光景を目にすることもあって、ちょっとした幸運を喜びます。
 何かを見聞きして「良かったよ、感動したわ」というのはふだんよく使う言葉です。でも、そう言ってから本当にそうだったかな?と思うこともあります。社会人として円満に生活するためには必要なことですが、一人で自分と向き合うときには出来れば本当に深い感動を味わいたいものです。

ナガサキ写真展
 夏から秋にかけて、お寺は活発に動きました。たくさんの人が集いました。
 「ナガサキ写真展」では、眼をそむけずに写真と向き合うことで、人間の底力を感じられた方も多かったのではないでしょうか?会場に静謐な空気がただよっているのを感じました。私も少し怖いなと思っていたけれど、一歩前に出て逃げずに物事と向き合うと、その先には感動があることを知りました。人が経験することには、それがつらいことであっても何かしら役に立つことがあると信じて。

この世の浄土をめざして
 この先冬から春にかけて、客殿の改修工事と新住職のため、住居の工事に入ります。お寺の生活に慣れた私でも、自分のために皆さんからの寄付金を使うのは抵抗があって、今の住居部分も個人で借金をして増築しました。今度も住まいの新築には、住職の退職金にと積み立てていた保険が満期になりましたのでそれを使います。これもご加護かも知れません。客殿は工事が終わればさらに清潔で、使い勝手が良くなる予定ですし、住居部分とは離れていますので、さらに気軽にお使いいただけます。自分たちで食事を作れば宿泊も可能ですし、研修会などにも利用できます。葬儀は、家族だけでなく親族も一緒の規模でも対応できるようになると思います。
 この世の浄土をめざしている妙光寺が、これでまた一歩前進です。楽しいことばかりではなく、少し大変な修行体験も用意したりと、まあ、あれこれ考えて妄想しています。(笑)
 ご前様は還暦を越え、体力も落ちてきました。緩やかな権限移譲を進めながら、暖かい住居で眠り、年寄りならではのステキな雰囲気をかもしだす老僧になってもらいたいものです。
 若い職員が2人減り、てんてこ舞いのお寺ですが、これもいつか浄土につながるーそんな風に考えれば、また楽しみなものです。寒くなります。ご自愛ください。

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