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『安穏 大分の三カ寺巡拝』    小川英爾

2017年3月

 

 「よく妙光寺に来てくださる大分のご住職のお寺にお参りしたい。日本一の温泉県とも聞くし、食事も美味しそう」いつも行事をお手伝いいただく方たちとの何気ない会話から、私たち夫婦を含めて13名による2泊3日参拝の旅がこの冬行われた。

妙光寺在勤4年
 まず大分空港から訪ねたのが常妙寺。09年4月から4年間妙光寺に勤務された永石上人のお寺である。お父さんから引き継いで丸3年、すっかり住職が板についておられた。
 お寺は以前、大分市の中心街の賑やか過ぎる場所にあった。しかし再開発で立ち退きを余儀なくされ郊外に移転。バブルの時代で資金も潤沢だったので、エレベーター付き3階建て鉄筋コンクリートの超モダンなお寺になった。ところが今では、日々の掃除から高額な電気料まで維持管理が大変だそうだ。妙光寺『京住院』の温もりある快適さが忘れられず、隣接地の中古住宅を土地付きで買い『大黒堂』と名付けた。葬儀もできるよう改修したところ、檀信徒に大好評とのこと。爽やかな笑顔が健在で、私も嬉しかった。

大分安穏廟の寺
 2日目は妙光寺より一回り小さい『安穏廟』が門前に建つ妙瑞寺を参拝。菊池住職は私の助言で大分安穏廟を軌道に乗せ、さらに樹木葬型の『桜葬墓地』を展開している。
 ここはもともと住職不在の寺で、敷地も狭かった。今でも雨漏りする本堂は、台風の直撃を受ければ倒壊しそうな古いままである。しかしここ数年で近くを高速道路が通り、巨大ショッピングセンターもできて地域は発展した。さらに寺の周囲は市街化調整区域で後継者のいない農地が多い。農地を寺で買って欲しいという話が相次ぎ、安穏廟の収益や檀信徒の寄付、借金も重ねて応えてきた。結果敷地は4倍に増え、きれいに整備もした。
 「本堂の建替えは立正大学仏教学部で学んでいる長男の時代になりそうだ」とにこやかに語る。

妙光寺本堂の弟分?
 大分市内とはいえ幹線道路から外れた山中の寺が亀山住職の神力寺。ここも長年住職不在の寺で、荒廃した本堂の屋根瓦が台風で崩れ落ちたのは、亀山住職が入寺して間もないころだった。
 檀信徒も少なく、本堂再建には困り果てた。その時に、妙光寺の本堂が思い浮かんだという。妙光寺を設計した中澤・飯島両設計士に相談し、数年越しの壇信徒寄付金で建替えにこぎつけた。やや小ぶりな妙光寺本堂の趣で、しかも進化してさらに洗練された感もある。皆さん口々に、「まるで妙光寺にいるみたい」と言われたが、実は仏像を彫った仏師も同じ方である。
 庫裡は昔のままで、柱も傾いている。その裏に、安穏廟を模した永代供養墓『帰命の塔』が、山を背にすっくと立っていた。高台に建つお寺なので、目の前に広がる平野が心地良かった。年内に梵鐘もできるという。

心強い協力体制
 妙瑞寺の菊池住職は私より10歳若く、神力寺の亀山住職はさらに10歳年下。そして常妙寺の永石住職はもっと若い世代だ。この三住職には、毎年夏の妙光寺『送り盆』をお手伝いいただいている。昨年は菊池住職の長男も1週間近く滞在して汗を流してくれた。こうして確実に次世代に繋がり、次期住職良恵とも縁を紡ぎ支えていただけると思うと、本当に心強い。
 旅の参加者は三住職も交えて大分の温泉と味覚を堪能し、妙光寺の未来を語り合いつつ帰路に着いた。



 

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