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『トランクの中の日本 ジョー・オダネル「ナガサキ写真展」』

2015年10月

終戦から70年目の今年、戦争に繋がりかねない『安全保障法案』が、各種世論調査でも納得できないとする声の多い中で、成立させられようとしています。アメリカでは、広島・長崎への原爆投下が戦争終結のために必要だったという声が未だにあるそうです。勝つためには手段を選ばないのが戦争なのだ、と痛感します。
 今秋縁あって、原爆投下直後の長崎を米軍カメラマン、ジョー・オダネル氏が撮影した写真の写真展を実行委員会の主催で行うことになりました。70年前の戦争を再認識する機会として、是非お出かけください。
>> ジョー・オダネル「ナガサキ写真展」ご案内チラシ
 

新潟に原爆?

新潟市も原爆投下の候補地の一つでした。広島の次は小倉の予定でしたが、悪天候で長
崎に変更され、そして次の予定地は新潟だったそうです。当時新潟に新型爆弾投下の噂が広まり、市民が避難しました。この事実をもとに、30年程前ですがNHK新潟放送局がラジオドラマを作り、お盆に放送したのです。私も僧侶役で出演し、その時初めて新潟が候補地だったことを知りました。
 

被爆直後の長崎を記録

昭和20年8月9日、長崎の町は一瞬にして消え去りました。米軍カメラマン、ジョー・オダネル氏は、軍の命令で直後の長崎に入り凄惨な様に圧倒されます。そして許可なく日本人を撮ってはならないという軍規に反して、密かに私物のカメラで撮影をしました。
軍規違反の写真は、その後半世紀近く彼のトランクに封印されたままでした。しかし「原爆がどれほどの苦しみと痛み,そして荒廃をもたらしたかを自分自身が直視するだけでなく、世界に向けて訴えて行かなければならないと気付いて」氏は公開を決意します。その中の1枚が「焼き場に立つ少年」の写真でした。以来写真は、日本各地はもとより世界各国で、展示されてきました。
 

ご縁による写真展

50枚余りのパネルになった写真を日本で公開する権利を持つのが、盛岡市の山崎真さんです。アメリカで今は亡きジョー・オダネル氏に出会い、直接託されたのです。
 妙光寺で度々陶芸展を開いている陶芸家の中野亘さんは、山崎さんと親しくされています。中野さんからこの写真展を提案され、早速山崎さんにお電話し、快諾頂いたのです。写真展期間中には、山崎さんのお話を聞く会も予定しています。
 また期間中に、世界で活躍する11弦ギター奏者・辻幹雄さんの演奏会も行います。昨秋、私が新潟の美術館「砂丘館」で講演を行った時、会場にギターの曲が流れていました。一緒にいた中野さんが「もしかしてこれは辻さんの演奏?実は写真展の時、辻さんの演奏会をしたいと考えていますが…」と言うと、「砂丘館」館長の大倉宏さんが「私も妙光寺で辻さんのコンサートを、と思っていた」と言われ、偶然にも共に親しい方だと分かったのです。
 藤山一郎が歌った『長崎の鐘』を古い方ならご存知と思います。これは自らも被爆しながら医療活動に従事した、長崎医大の永井隆医学博士の同名の本が基でした。実は、永井博士には『長崎の鐘』と題した長編の詩があります。辻さんは、この詩に曲をつけたのです。今回の写真展で、この曲を皆さんに聴いていただきたいと考えています。
 秋の妙光寺で、平和の尊さに思いをいたす時間を持って下さい。

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