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「味噌と醤油」

2014年3月号

小川なぎさ

妙光寺周辺では、たいした雪も降らないまま、立春を迎えました。地元角田浜では昔から妙光寺を「山んてら」、集落内の願正寺を「村んてら」と、なんとも可愛らしい通称で呼んでいます。雪に包まれた「山んてら」は、シーンと静かで趣があります。雪に煙っている境内は昔話の山寺そのもので、その雰囲気はこの時期の楽しみのひとつでもあり、束の間の休息のようにも感じます。でも今年は、新年から穏やかなお天気が続いていて、早くも気ぜわしく感じているこの頃です。

先日総代さん奥さんのサッちゃんと、その友人シンちゃん、そして私の3人で、味噌を仕込みました。塩以外は米も大豆も、サッちゃんシンちゃん2人の作物という純国産の贅沢な味噌が出来ました。「明日は午後から集合」と言われたので出かけたら、その日からまる2日間、その合間に五目おこわ、おでんを作り、お餅までついてしまうというスーパーウーマンぶりで、3日目の昼に作業は終わりました。普通の味噌はこれから秋まで熟成させます。今年は白みそも作りました。白みそは50日ほどで食べられるようになるそうです。お寺の下洗い場には、およそ50キロの味噌が眠っています。たくさん出来たので、夏の「送り盆」で、味見をしたい方にお分けしたいと思っています。

こんなときには、自分の食べ物をあたりまえに作るという農家の人の底力を感じます。そして、これぞ日本!という気持ちになるのです。

朝、目覚めると今日の生活の流れをざっと考えるのですが、その中心は食事のことです。冷蔵庫にある食材を思い出して「これとこれ、昼ごはんは麺、夕食は・・・」なんて。これはもう主婦の習性ですね。料理は嫌いではないけれど、毎日のこととなると、面倒になることもよくあります。「あー、もうなんで毎日毎日食べなくちゃならないのよぉ」と思いながら立つ台所でやる気にさせてくれるものは、間違いなく新鮮な野菜です。みずみずしい大根やきゅうりは切って味噌をつけるだけ、菜っ葉はゆでて醤油をかけるだけ、あっという間にできあがりです。

味噌作りが終わってから、ふと私の心をつかんでいるのは醤油のことです。味噌と醤油は誰もが毎日食べているのに醤油をつくったという話は聞かないなと思いながら、今はいろいろと調べているところです。昔は醤油も自分でつくっていたのでしょうか?

もうすぐ春がやってきます、暖かくなれば身体も楽だし、気分も良くなるに違いありません。芽吹いた山菜、特にウドなんか・・・味噌を添えるだけで、上等な今晩の酒の肴!簡単がなによりですわぁー!!

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