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家庭?へのあこがれ

2006年7月号

小川 なぎさ

 昨夜はワールドカップのクロアチアと日本との試合だったのに、つい眠ってしまいました(しまった!です)。近頃は本当に夜が弱くなって、その分朝は5時といえば目が覚めてしまいます。頑張って夜遅くまで起きていても、同じ時間に目が覚めてしまうのはいったいどういうこと?でしょうかね。
 本を読んだり、手芸をしたり、したいことはたくさんあるのに最近は老眼が始まったようで、朝は目がはっきりせず気分が乗りません。でも今、そんな毎日がちょっと楽しいのです。
 お蔭様で台所の改修工事が進んでいますが、その間でも食事をしないわけにはいきませんから、今の脇の小さな台所でご飯を作っています。20年のあいだ、子供の洋服置き場と洗面所だったところが本来の台所として復活したわけです。
 そこには(これも使ったことがないのですが)狭い出入口がついていてその扉を開けると、裏の神社の参道なのです。起きてまずやかんをコンロにかけて、その扉を開け放すと朝の湿った空気と一面の緑、鳥の鳴き声が入ってきます。コーヒーを飲みながらしばしぼんやりと過ごすのが日課になりました。
 これが本当に楽しい。信じられないと思いますが、結婚して以来パジャマのままで誰を気にすることもなく、こんな朝を過ごすことはありませんでした。寺の台所はもう仕事の空間だし、玄関も近いので寝巻きのままウロチョロすることはできません。
 しばらくぶりに実家で過ごしていたころのような朝の時間は、泣きたくなるほど懐かしい気がしました。「家庭ってこんなものだったよな」みたいな・・・。そして料理をしながらアイロンをかけたり、家計簿をつけたり、食卓の上には大好きな飴玉やお煎餅を並べてみたり、食事の後片付けをしながら寝転んでみたり、一般の家庭なら当たり前の、ささやかな暮らしのひとこまが嬉しくて仕方がないのです。
 あと半月で待望の台所が完成します。家庭から寺庭に戻り、いっそう精進しなくてはとも思いますが、復帰できるか心配です。でも今度は研修生も住み込む予定ですし、新しい台所は休む暇なく使われるでしょう。夏には皆さん見学に来てくださいね。

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