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『佐州流刑角田波題目』

2014年12月号

小川英爾

佐州流刑
佐州流刑角田波題目(歌川国芳『高祖御一代略図』)
「立正大学情報メディアセンター」所蔵・提供

江戸時代の天保2 (1831) 年、日蓮聖人滅後550年忌を記念して板行された10枚揃い錦絵の1枚である。
 文永8 (1271) 年10月28日(現在の暦で11月末)、佐渡へ流罪の日蓮聖人は寺泊を船出、強風に流されて角田浜に漂着された。その折り岸辺の岩に南無妙法蓮華経≠ニ書かれたのが『岸の題目』である。そこに現れたひとりの老翁の願いで、岩屋(妙光寺裏手の洞窟)に住む七頭一尾≠フ大蛇を教化され、その記念に書かれた『岩の題目』とともに現存する。
 翌日再び佐渡に向かわれたが、またもや嵐で船が転覆しそうになった。日蓮聖人が船頭に乞われて竿で波の上にお題目を書かれると、海が静まり無事佐渡に着岸できた。これが角田の『波の題目』の奇跡として後世に伝わり、錦絵の題材となった。
 所蔵元の解説では「作者は歌川国芳。浮世絵の鬼才と言われ、葛飾北斎とともに大の日蓮宗信徒として知られる。中でも特にこれと『佐渡苦行』の2枚が、江戸の人々に人気を博したすぐれた作品」とある。
 『岸・岩・波のお題目』が角田の三題目≠ニ呼ばれ、これに因んで建てられた3ケ寺のひとつが、現在の妙光寺になった。他に移転した2ケ寺は、いま新発田市と村上市に在る。

 
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