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快晴の空の下、仏縁を結ぶ

2013年4月号

新倉理恵子

数日前の寒さが嘘のような3月16日(土)の朝、新潟から14台、首都圏から3台のバスが、前夜祭会場である八ヶ岳ロイヤルホテルをめざしました。バスに乗ると、この日のために編集されたDVDが上映され、本堂に立つ御前様が参加者にご挨拶します。さあ、ついにこの日が来た、と胸が弾みます。

私の乗ったバスは、嬢捨SAで昼食となりました。青空に雲が一片、山並みが鮮やかに見えます。ベンチで持参のお弁当を広げ、「まるでハイキングみたい。」という声も聞こえます。続いて、妙光寺のバスが二台、三台とSAに入ってきます。バス案内担当係の黄色いウィンドブレーカーが目につきます。参加者約670名は皆、胸にバス番号の名札を付けています。仲間の目印です。「久しぶりだね」「あんたも来てたね」あちこちで挨拶しあう姿がありました。休憩をとりながら午後3時すぎ、17台のバスは続々とホテルに到着しました。部屋で一息いれて皆大浴場へ。露天風呂の温泉は、湯加減も最高でした。

午後5時45分、全員が大宴会場に着席しました。6時少し前、フリーアナウンサー吉井歌奈子さんの司会で、前夜祭が始まりました。まず御前様の挨拶です。挨拶の最後に、全員でお題目の練習をしました。「南無妙法蓮華経、南無妙法蓮華経・・・」初めは小さかったみんなの声は、次第に大きくなっていきました。吉田錬勝前日蓮宗新潟東部宗務所長のご祝辞に続いて、サプライズゲストが登壇しました。落語家の三遊亭圓歌師匠です。「山のあな、あな・・・」で一世を風靡した師匠は、実は30年前に出家した日蓮宗の僧侶でもあります。その御縁で、前夜祭の席に駆けつけてくださったというわけです。30分間師匠の話術にはまって、会場は爆笑の連続でした。楽しい気分になったところで、大滝剛総代の音頭で乾杯。和やかな宴会でした。一時間後、高橋英一総代の迫力ある三本締めで中締めしました。その前に御前様の長女良恵さんのご挨拶がありました。得度して髪をおろしたばかりの初々しい良恵さんは「私が一人前になるまで、皆さん長生きしてください。」と挨拶しました。

夜はホテルの最上階から星を眺める人、ロビーの特設バーで飲み続ける人、ホテルは貸し切りですから知らない人でも気軽に声をかけあって、楽しく過ごしました。翌17日(日)。いよいよ大法要の当日です。エレベーターホールの窓からは、富士山と北岳が望めます。富士山の日の出を満喫した方も、いたようです。朝5時に大浴場に行くと、すでに満員。「今日は本番だからね」「朝食は、6時らっけね」皆、気合十分です。

8時に出発、10時には身延山久遠寺に到着しました。この日も暖かく、屋外ではコートも不要です。本堂では、バスの号車別に列をつくって座りました。久遠寺布教部長吉村明悦上人から「一ケ寺でこんなに大勢の参拝は、今までになかったことです」と歓迎のご挨拶。そして太鼓の音とお題目で、法要が始まりました。「南無妙法蓮華経・・・」夕べのホテルでの練習の成果?で、堂々と大きな声で唱えることができました。その後の約1時間の法要は、40名の僧侶の読経、和太鼓集団『鼓童』の太鼓と舞いの奉納と、久遠寺本堂ならではの荘厳さでした。散華も声明も、本山ではいつも以上に美しく感じられます。御前様の慶讃文を読み上げる声も、朗々と大本堂に響きます。「妙光寺山門繁栄、檀信徒一同和合ならしめ給わんことを。」目くるめく大法要の後、本堂を出ると春風が私たちを迎えてくれました。大行事を終えて、皆ほっとした面持ちです。坂道を下る足取りも、心なしか軽いように思えます。バス車内でお弁当を食べ、七百年記念の手ぬぐいを受け取って、和気藹々と家路につきました。縁あって妙光寺に集う喜びを感じた参拝でした。

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