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「家族葬」と「生前契約」

2012年3月号

小川英爾

「家族葬」ってなんだろう

いま社会は、核家族化と高齢化がすすんでいます。故人の親族が少ないうえに高齢、しかも遠方に居住ということで葬儀の参列者が少ない。また新興住宅地で近隣との交際もないし、普段から親戚付き合いも少ない。仕事も引退して関係者もいない。こうした背景から葬儀がごく限られた人数になり、家族だけで行われる葬儀が増え、これを「家族葬」と名付けたようです。

これには従来ありがちだった形式的で経費もかかる葬儀をやめて、交際費を節約したい気持ちから、周囲に知らせず家族だけで行うという目的もあるようです。形式張るのは嫌だから、親しい家族で心を込めて見送りたい、見送られたいのは理解できます。でも単に遺族の都合で安価に簡単にというのは寂しくないでしょうか。故人のこれまでの様々な関係に配慮する思いやりはあってほしいと願うものです。

実は家族葬は香典が入らないだけに、支出ばかりで決して安価には上がりません。またそれを売り物にする葬祭業者も多く出ていますが、手抜きで安くするとも、また追加料金で結局高くなるとも聞いています。葬儀の基本にはお互い様″の精神で、大変なときにお金によらず支え合うところがありました。そこが薄れてきているのです。

元気なときに自分の葬儀について家族で話し合い、知らせて欲しい人を伝えておくことが大切で、遺された家族も一番助かります。経費や形式に疑問があれば遠慮なくご相談ください。妙光寺では参列者1人の「家族葬」から、150人の「大規模葬」までできます。

「生前契約」をご存知ですか

妙光寺では「葬儀の生前契約」をお受けしています。本人と契約し、遺族に代わってご遺体の引き取りから関係者への通知等、葬儀一切から埋葬までを執り行います。県外居住の方を含めかなりの件数になっています。法的に有効な書類に基づき経費を預かりますが、本人限定で解約希望にも応じ返金もします。既に何件か執行していますが、これまで解約申し出はありません。見積の都合上、会場は妙光寺で行います。県外居住者の場合はご遺体を搬送するか、居住地で火葬してからになります。

私たちは死後、各種保険の解約、年金等行政の手続き、住居の処分等々膨大な作業が必要です。親族に頼れない事情から、これらの代行を引き受ける「死後の事務手続きの生前契約」を希望する人が社会では増えています。今のところ「任意後見制度」を使って、弁護士や司法書士等の専門家に依頼する方法が有効のようです。ご相談は妙光寺でもお受けしています。

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