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「気」が集う?

2012年12月

突然の来訪者

妙光寺の玄関は日中開け放してあり、誰でもいつでも入ることができます。本堂も同様で、寒い季節の法要の際と強風のとき以外は閉めることがありません。私に時間があればどなたでもお茶を勧めて、ときにはご一緒することもあります。

先日も私が法事の始まる前に玄関で見かけた中年のご夫婦が、法要を終えて本堂から戻っても、まだ玄関の外におられました。しかもどこか思いつめた雰囲気が漂っていたのです。声をかけて上がってもらうと、「30歳で亡くなった娘の埋葬先を探しています。妙光寺さんのことを本で知って、秋田市から訪ねて来ました」と、問わず語りに辛い胸の内を話されるのです。「これまで納得できる所がなかったのですが、こちらなら安心できそうです」と、ホッとした感じで帰っていかれました。私がお話を聞けたのも、ご縁があったからでしょうか。

『水と土の芸術祭』に2500人超す

7月15日から『水と土の芸術祭』の作品を屋根裏で展示してきました。10月早々その入場者数が2500人を超え、会期終了の12月24日には3000人に届きそうな勢いです。夏暑かったので、院庭にパラソルとベンチを出し、アイスコーヒーも飲めるセルフサービスのカフェを開きました。お代は百円を賽銭箱に入れてくださいと書きました。運よく本堂のお下がりのお菓子でもあれば、それは無料です。

作品が一番なのですが、カフェとお寺の雰囲気も加わってか、数ある会場の中でも人気が高いと聞きました。千個の提灯を吊るしたお盆のころには、提灯を背景に若いカップルが並んで写真を撮る微笑ましい光景も見られました。「うちも日蓮宗です。本当に気持ちのいいお寺ですね」と、声をかけてきた若いご夫婦は岡山から来られたそうで、私の方が驚きました。若い人たちからお寺に馴染んでもらえるきっかけになったのは確実です。

「気」がこもる?

秋を迎えて冷え込み始めたある日、少し離れた地区の信徒の女性3人連れが、「お参りがてら誘い合って作品見に来たわ」と言うので、囲炉裏を開いた茶の間に通しました。そこに「七百年法要の参加費の残金もあるのでお参りに来ました」と玄関に入ってきたご夫婦、なんと偶然にもお茶を飲んでいた先客と同じ村の従妹同士。お互いに「あれまあ、あんたらもお参り?」となって、お茶の席の輪が広がりました。

この日は朝からの雨が止んだところに太陽の日が差し、境内全体に這うように白いもやが立ち込めました。それが雨に濡れた木々と相まって、住んでいる私にも珍しいくらい、とても幻想的な光景になったのです。「素晴らしい景色だね」「年取ったらこんな所で毎日暮らしたいね」(失礼ながらそれなりにお歳だと思うのですが・・・)「こうやってお茶飲みしていたら一日中でも飽きないわ。でも御前様が迷惑だって言うよ」等々、皆さん気軽に言いたいこと言って笑いながら話が弾みました。

老若男女、いろんな方の元気が集まるお寺もいいものだと思います。千葉のEさん夫妻は「久しぶりに伺いましたが、以前にも増してお寺に凝縮された何かが詰まった感じで、元気がもらえるような気がします」と言ってくださいました。その後、先の娘さんの埋葬先を探して来られた秋田のご夫婦から、「ぜひお世話になりたい」と電話がありました。

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